【第28話】”映える”だけじゃない!ディスプレイが暮らしに効く理由


|インテリアコーディネートとディスプレイの違いって?

ある日、こんな質問をされました。
「インテリアコーディネートとディスプレイの違いってどのくらい違うん?

たとえば、ミートソースとカルボナーラ?

それとも、うどんとパスタ?」

 

その2択だったら、

「うどんとパスタ!」

 

どっちも麺類だけど、

ルーツが全然ちがう食べもーーーん((+O+))

  

そんな会話をしたあと1人になって、

両者の違いについて

もう少ししっくりくる「たとえ」がないかを考えました。

 

そこで浮かんだのは、化粧品。

それは、ベースメイクとポイントメイクの違いです。


ベースメイクは、下地やファンデーションで土台を整える役割。
ポイントメイクは、口紅やアイシャドウで、顔にアクセントや表情を加えます。

 

空間に置き換えると、

インテリアコーディネートは空間のベースメイク。
壁紙やカーテン、家具など大きな要素を整えて暮らしやすくすること。


ディスプレイはポイントメイク。
好きな小物やアートを飾って

空間に個性や雰囲気をプラスして、

空間を演出し、気分を引き上げる効果がある。

 

ベースメイクは必要だけど、

ポイントメイクは必要ないでしょうか?

そんなことはないはず。

ファンデーションで終わった顔は、まだお化粧の途中経過。

土台が整ったら、ポイントメイクで魅力アップ&気分アップさせたいですよね。

 

|今、住まいに求められていること

ところで、

つい先日に東京ビッグサイトで行われた

「インテリアライフスタイル東京2025」のセミナーで、

Room Stylist整理収納アドバイザーのひでまるさんがこんなことをおっしゃっていました。

 

「店舗と家の境界線がない空間づくりがしたい」という傾向が増えてきている、と。

 

たとえば、

・ボタニカルカフェのようなダイニング

・アートギャラリーみたいな廊下

・リゾートホテルのようなワンルーム、

でしょうか。

 

つまり、住まいの中で非日常を感じたい人が増えているということです。

ディスプレイ演出で作り上げられたワクワクする商業空間、

そこで味わったあの感覚を自宅でも味わいたい、そんな人が増えています。 

 

ディスプレイって、店舗のためのもの?

そうなんです!

現在、ディスプレイ演出は、商業空間で一般的に使われています。

 

たとえばアパレルショップ。

 

VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)という言葉をご存知でしょうか?

店舗のディスプレイやレイアウトを工夫して行う、マーケティング手法の1つです。


お客さんが商品を見つけやすく、

買いやすくなるよう視覚的に工夫する販売戦略です。

 

お店の入口には目を惹くディスプレイをして入店率を上げ、
中に入ると、しぜんに回遊できる導線をつくる。

 

視線を誘導して、楽しく買い物ができる工夫が

ふんだんに仕込まれています。

 

|住まいにディスプレイをとり入れると、どんないいことがあるの?

“お店に入りたくなる“ディスプレイ

そのテクニックを住まいに置き換えると、

帰りたくなる家ができあがります。

 

視線誘導のワザを使って、目線の高さに目を惹くものを飾り、
見せたくないものは、そっと隠す工夫をする。

それだけで、景色がよくなり、居心地がよくなります。

 

好きな空間で過ごしていると、心も軽やかに変わり、行動まで前向きに変わっていきます。

帰宅前にはちょっと嫌なことがあったような気もするけど、

視線の先に、かわいらしく飾ったお花が目に入ったら

フッと気分が切り替わって、優しい気持ちになり、ちょっと元気をもらえる。

 

つまり、ディスプレイは

”気持ちをフワッと包んでくれ、気分をきゅっと上げてくれる”

魔法のような存在なんです。

 

|まとめ

ディスプレイは単なる「飾り」じゃなくて、
「暮らしの中で、気分をきゅっと上げる魔法」みたいなもの。

 

空間のベースを整えたら、次は仕上げのポイントメイクを。

小さな工夫で、毎日の暮らしがもっと好きになるはずです。

 

あなたの家にもディスプレイの力を借りて、

”帰るのが楽しみになるおうち”を目指しませんか?